心不全 ― 鹿児島市郡元の内科・循環器内科
少し歩いただけで息が切れる。夜、横になると息苦しくて眠れない。足がむくみ、体重が数日で増えた。
心不全は、心臓がポンプとしての力を十分に発揮できなくなり、体に必要な血液を送り出せなくなった状態です。ひとつの病名ではなく、高血圧、狭心症・心筋梗塞、不整脈、弁膜症など、さまざまな心臓の病気の行き着く先として現れます。
松岡内科では、心不全の指標であるBNPを院内で測定し、心臓超音波(心エコー)や心電図、胸部レントゲンとあわせて、その息切れやむくみが心臓によるものかを確かめます。落ち着いている時期の管理から、悪化の兆しをとらえた早めの対応まで継続して対応します。

こんな方は一度ご相談ください
✓ 以前は平気だった距離や坂で、息が切れるようになった
✓ 横になると息苦しく、起き上がると楽になる
✓ 夜中に息苦しくて目が覚めることがある
✓ 足のすねやくるぶしがむくみ、指で押すとへこむ
✓ 数日で体重が2〜3kg増えた
✓ 疲れやすく、食欲が落ちてきた
✓ 心不全と言われたことがあり、通院先を探している
✓ 高血圧・心筋梗塞・不整脈・弁膜症を指摘されている
心不全の症状は、年齢のせいと受け取られやすいものばかりです。「歳だから息が切れる」「立ち仕事だからむくむ」と説明がついてしまうため、受診が遅れがちになります。以前と比べて変わってきたかどうかが、見分けるうえでの手がかりになります。
心不全とは、どのような状態でしょうか
心臓は、全身に血液を送り出すポンプです。この働きが弱まると、送り出せなかった血液が手前に滞り、肺にたまれば息苦しさ、足にたまればむくみとして現れます。これが心不全です。
心不全には、心臓の収縮する力が落ちるタイプと、収縮する力は保たれているのに広がりにくくなるタイプがあります。後者は高血圧のある方やご高齢の方に多く、心エコーで区別します。治療の進め方が変わるため、どちらかを確かめることが出発点になります。
心不全は、よくなったり悪くなったりをくり返しながら進みます。一度落ち着いても、塩分のとりすぎ、お薬の飲み忘れ、かぜや感染、不整脈などをきっかけに悪化します。悪化のたびに心臓の力は少しずつ削られるため、悪くなる前に気づいて手を打つことが何より重要です。
心不全の原因となる病気と、悪化のきっかけ
心不全は、それ自体がひとつの病気というより、心臓に負担をかける病気が続いた結果として現れます。どの病気が背景にあるのか、そして何をきっかけに悪くなるのかを分けて考えることが、管理のうえで大切になります。
どう関わるか:高い圧力に逆らって血液を送り続けるうちに心臓の壁が厚くなり、広がりにくくなって心不全につながります
気をつけたいこと:収縮する力が保たれたまま起こる心不全の、最も多い背景です。血圧の管理がそのまま予防になります
狭心症・心筋梗塞
どう関わるか:心筋梗塞で傷んだ部分は動きが戻らず、心臓全体のポンプの力が落ちます
気をつけたいこと:治療後に症状が落ち着いていても、心臓の力は下がっていることがあります。定期的な確認が必要です
不整脈(とくに心房細動)
どう関わるか:脈が速い状態が続くと心臓が疲れ、また心房のはたらきが失われることで血液を送り出す効率が落ちます
気をつけたいこと:心不全と心房細動は互いを悪化させます。どちらかがある方は、もう一方の有無も確かめます
心臓弁膜症
どう関わるか:弁の開きが悪い、あるいは閉じきらないと、心臓は余分な仕事を強いられ、やがて力が尽きます
気をつけたいこと:心エコーで程度を確認できます。手術の時期を逃さないためにも、定期的な経過観察が重要です
そのほかの心臓・全身の病気
どう関わるか:心筋症、甲状腺の病気、貧血、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群なども心不全の背景になります
気をつけたいこと:血液検査や心エコーで手がかりをつかみます。背景を整えると心臓の負担が軽くなることがあります
悪化のきっかけ (塩分・水分・お薬)
どう関わるか:塩分のとりすぎ、水分のとりすぎ、お薬の飲み忘れは、心不全が悪化する原因として最も多いものです
気をつけたいこと:いずれもご自身で防げる要因です。毎日の体重測定が、悪化に早く気づく手がかりになります
悪化のきっかけ(感染・無理・寒さ)
どう関わるか:かぜや肺炎などの感染、過労や睡眠不足、急な寒さも心臓の負担を増やし、悪化の引き金になります
気をつけたいこと:体調を崩したときは、いつもより早めにご相談ください。予防接種についてもご案内します
こんなときは、早めの受診をおすすめします
✓じっとしていても息が苦しく、横になれない
✓数日で体重が2〜3kg以上増えた
✓むくみが急に強くなり、靴がきつくなった
✓ピンク色の泡だった痰が出る
✓唇や指先の色が悪く、意識がぼんやりする
4つめと5つめは、肺に水がたまって呼吸の状態が悪くなっているサインの可能性があります。ためらわずに救急要請をしてください。1つめから3つめは心不全が悪くなってきているサインですので、いつもの受診日を待たず、その日のうちにご連絡ください。早い段階で手を打てれば、入院せずに立て直せることがあります。
当院で行う検査と治療
心不全の診療では、その息切れやむくみが心臓によるものかを確かめ、背景にどの病気があるのか、心臓の力がどの程度かを見ます。落ち着いてからも、悪化の兆しを早くつかむための定期的な確認が要になります。
01 血液検査(BNP)(採血 約5分)
BNPは、心臓に負担がかかったときに血液中へ出てくる物質です。院内で測定でき、その息切れやむくみが心臓によるものかどうかの判断に用います。治療中も定期的に測ることで、数値の変化から悪化の兆しをとらえられます。
02 心臓超音波(心エコー)検査(約10分)
心臓の収縮する力、壁の厚さ、弁の状態を確認します。収縮する力が落ちているタイプか、力は保たれていて広がりにくいタイプかを見分ける検査で、治療の進め方を決めるうえで欠かせません。放射線を使わず、痛みもありません。
03 胸部レントゲン検査(約5分)
心臓の大きさと、肺に水がたまっていないかを確認します。治療の前後で比べると、うっ血がどれだけ取れたかがわかります。撮影自体は数十秒で終わります。
04 心電図検査(約5分)
背景に心房細動などの不整脈がないか、以前に心筋梗塞を起こした痕跡がないかを確認します。ベッドで横になるだけで、痛みはありません。
05 治療:お薬と生活の組み立て
心臓を守るお薬と、余分な水分を出すお薬を組み合わせ ます。あわせて、減塩、毎日の体重測定、飲水量の目安、無理のない運動を、生活に合う形で一緒に決めます。心臓の力が大きく落ちている場合や、手術・カテーテル治療が必要と考えられる場合は、鹿児島医療センターなどの専門施設へご紹介し、その後の経過観察は当院で続けていただけます。
受診の流れ
よくあるご質問
息切れが心臓によるものか、肺によるものか、調べられますか?
BNPという血液検査を院内で行えます。心臓に負担がかかっていると数値が上がるため、心臓が原因かどうかの手がかりになります。あわせて胸部レントゲンで肺の状態を確認し、心臓超音波(心エコー)で心臓の力を見ます。
毎日体重を測るように言われました。どのくらいの増え方が問題ですか?
朝、起きてトイレを済ませた後、同じ条件で測ってください。目安として、2〜3日で2kg以上増えた場合は体に水がたまってきているサインの可能性があります。いつもの受診日を待たず、ご連絡ください。記録をお持ちいただくと判断しやすくなります。
心不全は治りますか?
傷んだ心臓の力を完全に元どおりにするのは難しいことが多いのですが、お薬と生活の管理で症状を抑え、悪化をくり返さないようにすることはできます。近年は心臓を守る効果が示されたお薬が増えており、早く始めるほど効果が期待できます。
入院していた病院から、近くの医院での通院に変えられますか?
可能です。心不全は落ち着いてからの管理が長く続く病気で、BNPの推移、体重、むくみ、お薬の調整を定期的に確認していきます。当院では血液検査・心エコー・心電図・胸部レントゲンを院内で行いながら経過をみます。紹介元の病院とも連携します。
予約は必要ですか?
一般の診察は予約なしで受診いただけます。混雑状況やご不明な点は、お電話(099-251-5858)でお問い合わせください。